読書の意味は「書を読む事」とされるが、活字の登場以前では、これらは主に富裕層やインテリ層にのみ許された行為であった。活版印刷技術の登場以降、書籍が大量生産されるようになって、大衆の識字率は格段に向上し、読書は大衆娯楽(趣味)としても広く受け容れられるようになっていった。
日本では、江戸時代までは、主に四書五経など漢籍の音読(おんどく)が行われていたが、明治時代以降になると黙読(もくどく)が主となった。また、江戸時代には四書五経のような教養書の他に戯作本(『東海道中膝栗毛』等)が登場して出版業が成立、生活に余裕のある都市住民を中心に娯楽としての読書が広がっていた。当時、日本語の崩した文字に対応するために、木版印刷が広く用いられた。
20世紀になると大衆の教育の広がりと向上により、かつてより書を読む人間が増え、また出版技術の向上により大量出版の時代となった。日本においては、大正時代から昭和前期における円本の流行が「廉価な本を大量に発行する」という出版形態の発端とされる。しかし、20世紀後期になってテレビやインターネット等他、メディアの爆発的な発達により、知識情報獲得手段としての読書の地位が相対的に低下していったため、本を読まなくなったと嘆く人間の間で「活字離れ」が語られることがある。(Wikpediaより)